KTM E-DUKE計画始動 ― “電撃のDUKE”が開く新たなライディングの扉

KTM E-DUKE計画始動 ― “電撃のDUKE”が開く新たなライディングの扉





■ 1. ガソリンから電気へ、DUKEシリーズの進化系

KTMといえば“攻めのバイク”。Dukeシリーズの鋭い走りと過激なデザインは、世界中のストリートライダーに刺激を与え続けてきた。その流れを汲みながら、KTMが2027年以降に本格投入を視野に入れているのが、電動ネイキッドスポーツバイク**「E-DUKE」**である。

このモデルは、単なる「電動バイク」ではない。KTMのDNAを電動時代にアップデートしたモデルとして、新たなストリートバイク像を提示する存在となるだろう。


■ 2. プロトタイプから見える設計思想

2024年に初めて情報が漏れたE-DUKEは、次のような特徴を持つプロトタイプとして注目を集めた。

  • バッテリーパック容量:約10kWh

  • 出力:15〜25kWクラス(A1/A2対応を想定)

  • シャシー:軽量トレリスフレームを流用

  • 足回り:WP製サスペンション、Bybreブレーキ

パワーこそ中排気量クラス相当だが、ゼロ発進から最大トルクが得られる電動特性により、街乗りではガソリン250ccを凌駕する加速が期待される。


■ 3. デザインコンセプト:電撃の“Ready to Race”

E-DUKEの外観は、まさに未来のDUKE。
斜めにえぐられたLEDヘッドライト、シャープに切り込むシュラウド、そしてバッテリーを包み込むカウル形状は、視覚的にも“電気の爆発力”を感じさせる仕上がりだ。

「Ready to Race」は単なるスローガンではない。E-DUKEはパフォーマンスとデザインの両面で既存の電動ネイキッドを突き放す存在になる。


■ 4. 市場戦略:欧州A1/A2クラスの主役へ

KTMがE-DUKEに力を注ぐ理由のひとつが、ヨーロッパ市場における125〜400ccクラスのEV需要の高まりだ。

  • 若年層ユーザーのEV志向

  • 都市部の騒音・排ガス規制の強化

  • EUのカーボンニュートラル目標への適合

これにより、E-DUKEは「ゼロエミッション×ストリートファイター」という希少なポジションを得る。

特にライセンス制限のある若者層にとっては、E-DUKEは新時代の“最初のバイク”となりうる存在である。


■ 5. 将来の拡張性:バッテリー交換?スマートコネクト?

KTMはすでに、Husqvarna Vektorr電動オフロードバイク Freeride Eで電動化の経験を蓄積している。E-DUKEはその上に立つ製品であり、以下のような将来機能の搭載も視野に入っているとされている。

  • スマートフォン連携による走行モード切替/盗難防止機能

  • ワイヤレスOTAアップデートで制御系の進化

  • モジュール式バッテリー交換対応の実証実験


■ 6. KTMが電動バイクでも貫く「走りの哲学」

多くのメーカーが“静かで快適な電動バイク”を目指す中、KTMは**“感情を揺さぶる電動バイク”**をつくろうとしている。

  • ダイレクトなトルク感

  • フレーム剛性と車体バランスの最適化

  • アグレッシブな前傾フォルム

E-DUKEが実現しようとしているのは、“バイクに乗る意味そのもの”を電気で再構築する挑戦なのである。


■ 結びに ― 橙の雷鳴が、静寂の都市を切り裂く

E-DUKEは、単なるDUKEの電動版ではない。KTMが未来に向けて本気で生み出す、ストリートファイターとしての次世代モデルである。
「静かだけど速い」「乗りやすいけど攻められる」。そんなバイクが、もうすぐ現実になる。

オーストリアから放たれる“橙の雷鳴”――E-DUKEの正式発表を、心して待て。

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